A.D.2199 Dec
一年の締め括り、街は新年への期待で活気づいていた。
そんな最中をSS級の統制機構反逆者にして史上最高額の賞金首、「ラグナ=ザ=ブラッドエッジ」が第十三階層都市「カグツチ」に出現したという情報が走り抜ける。
対象「ラグナ=ザ=ブラッドエッジ」は別名「死神」と称され、その行動目的は統制機構の壊滅といわれている。
対象に懸けられた高額な賞金や彼の所有する絶対無比の力を持つ魔道書を狙い、様々な者達がここ第十三階層都市「カグツチ」に集結する。
最強の魔道書と呼ばれる『ブレイブルー』を作ったのはテルミだった……!
『眼の力』のリミッターをはずし、憎しみの繭に取り込まれたノエル。ノエルを助け出したいがテルミの持つ上位のブレイブルーに太刀打ち出来ないラグナ。
溢れる蒼の波動に反応し、活動を激しくするノエルの繭。
そして生れ落ちたのは、神殺しの剣『クサナギ』である少女、ミュー。 ミューの瞳にもうラグナの姿はうつらない。
世界はテルミの思いのままになってしまうのか!?
「テメェはマジぶっ殺す!」
秩序の力へと目覚めたジン。 生まれ始めた己の正義…ただ今守りたい奴を守る…を携え進むラグナ。
今、因縁の…運命の死闘が始まる。 一方、ハザマに足止めをされるノエルとマコト。 ハザマはついにその本性を見せ始める。マコトを痛めつけノエルを追い込むハザマ。
そしてついにノエルの中のリミッターがはずれた。 「来い、ノエル=ヴァーミリオン!俺と共に闇へと……!!」
マコトと行動を共にするノエル。
マコトはハザマの危険性を説き、自分が第七機関ココノエと通じていることを告白する。
ココノエの元へ行くようノエルを説得するマコト。
しかしノエルは視力を失いかけているツバキが気になり、首を縦には振れない。
そしてついにジンと再会したツバキ。だが二人の魂はすでに別々のものを求めていた。
一方、ラグナは統制機構カグツチ支部の奥へと歩き始める。
獣兵衛の言葉をしっかりと胸に刻み付けて―― 「いいかラグナ……決して『死ぬな』」
ひょんな事からココノエの元を離れ、カグツチで迷子になったラムダ。
ココノエの指示がないと何もできないラムダはただジッと見た事のない景色の中、佇む。
ココノエラボの中とは違う世界。雲が流れ、風が吹き、草花が揺れる・・・
しかしそのどれもがラムダにとっては意味のないもの。 いや、ラムダはそのどれもの意味を知らされていなかった。 そんなラムダの前に現れる男――ラグナ。
「飯は… … 奢らねーぞ」